「塩分を摂りすぎたら、甘いもので帳消し?」患者さんの勘違い

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「塩分を控えてくださいね」
高血圧の患者さんには、薬局でもよくお伝えする言葉です。
でも、ある患者さんと話していて、「減塩って、知識だけではなかなか難しいな」と思ったことがあります。
高血圧で定期的に通院されている患者さんでした。検査結果の説明を受けたあと、少し困ったような顔をしています。

何か気になることがありますか?

塩分をとりすぎないように言われたんだけどね。私、漬物が大好きなのよ。

ここまでは、よくある話です。
ところが、そのあとに続いた言葉に私は少し驚きました。

でも、その分、甘いものも食べているから大丈夫だと思っていたの

……ん?
最初は、どういう意味なのか分かりませんでした。詳しく聞いてみると、「しょっぱいものを食べたあとに甘いものを食べれば、塩分の影響を打ち消せる」と思っていたそうです。
なるほど。そういう考え方になるのか、と。

目次

甘いものを食べても、塩分は帳消しにならない

もちろん、甘いものを食べても、摂った塩分がなかったことになるわけではありません。
しょっぱいものを食べたあとに甘いものを食べれば、口の中の味は変わります。でも、それと体の中の話は別です。
摂取したナトリウムが、甘いものによって消えてなくなるわけではありません。つまり、「塩分+甘いもの=帳消し」にはならない。むしろ、塩分を摂ったうえで甘いものも追加することになります。

「しょっぱい→甘い」で味はリセットできても、摂ったものまでリセットできるわけではないんですよね。
高血圧の治療では減塩が重要で、日本高血圧学会は食塩6g/日未満を推奨しています。とはいえ。ここからが難しいところです。

「漬物をやめてください」は、たぶん簡単じゃない

その患者さんは漬物が好きでした。そこで、「じゃあ、漬物は食べないようにしましょう」と言うのは簡単です。でも、それで本当に続くのかな。私はそう思ってしまいます。
毎日の食事ですからね。長年食べてきたものを、「今日から健康のために禁止です」と言われても、そう簡単には変えられません。
私自身、好きなものをいきなり禁止されたら、たぶん嫌です(笑)。

だから、減塩するときも、「食べる・食べない」の二択にしないほうがいいと思っています。
漬物なら、今までより少し量を減らす。
毎食食べているなら、回数を減らす。
しょうゆやソースなら、上からかけるのではなく、小皿に出してつける。
麺類なら、スープを全部飲み干さない。
こういう「ちょっとだけ変える」方法です。

日本高血圧学会も、低塩タイプの調味料を使ったり、めん類の汁やスープを残したりすることを、減塩の工夫として紹介しています。

全部やろうとすると、たぶん疲れます。だから私は、「まず一個だけ変えてみる」くらいでもいいんじゃないかなと思っています。

減塩は「薄味に耐えること」ではない

減塩というと、「味の薄い食事を我慢する」みたいなイメージがあります。でも、塩を減らすだけが減塩ではありません。
だしをしっかり使う。しょうが、にんにく、ねぎ、大葉などの薬味を使う。こしょうや香辛料を使う。
酢やレモンなどの酸味を使う。
こういうものを使えば、塩味を増やさなくても、食事の満足感を出しやすくなります。
汁物なら具を増やして、汁を少なめにする。麺類ならスープを残す。こういう方法なら、食事そのものを大きく変えなくてもできます。
そして、もうひとつ。調味料そのものを変える。これは結構ラクな方法だと思います。

「料理を全部変える」より、調味料を変える

減塩を始めようと思ったとき、「何を食べればいいんだろう?」と考えると、急に面倒になります。毎日の献立を全部考え直すことになりますから。
でも、「いつも使っている調味料を変えてみよう」なら、少しハードルが下がります。
しょうゆ、だし、ぽん酢、ソースなど。
毎日使うものだからこそ、そこを変えていく。もちろん、減塩タイプだから好きなだけ使っていい、という話ではありません。

でも、「今までと同じ料理を作りながら、使う調味料を少し変える」なら、始めやすいですよね。私だったら、こっちから始めます。

減塩は、頑張れる人だけのものじゃない

今回の患者さんと話していて思ったのは、「減塩してください」という言葉だけでは、患者さんには届きにくいこともあるんだな、ということでした。その人には好きな食べ物があります。長年続けてきた食習慣もあります。「健康のためだから」と全部変えるのは、やっぱり大変です。
だから、「これならできそう」と思える方法を一緒に探す。私は、そのほうが現実的だと思っています。
塩分は甘いもので帳消しにはできません。
でも、漬物を少し減らす。汁を残す。調味料を「かける」から「つける」に変える。いつもの調味料を減塩タイプに変える。これくらいなら、できそうなものもありませんか?
食事療法って、完璧にできた人が勝ち、ではないと思うんです。続けられることを、少しずつ増やしていく。そのほうが、私は長く続くと思います。

減塩調味料を試してみるのもひとつ

「減塩を始めたいけど、何から変えればいいか分からない」という場合は、減塩調味料をいくつか試してみるのも選択肢です。
私が見つけたのが、減塩・無塩食品を扱っている「無塩ドットコム」。
初回限定で、だしつゆ、ぽん酢、ソース、ドレッシングなど、普段の食事に使いやすいものをまとめて試せるセットがあります。現在確認できる販売ページでは8種のお試しセットとして販売されています。

「結局どれを選べばいいの?」

となりやすいので、いきなり一つの商品を大量に買うより、いくつか試して自分に合うものを探す、という使い方ならアリだと思います。

私なら、まず「これなら普通に使えそう」というものを見つけるところから始めます。

※この記事は、薬剤師として患者さんとお話しした経験をもとに、減塩について考えたことを書いています。治療中の方は、主治医や管理栄養士などから個別の指示を受けている場合がありますので、その指示を優先してください。

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この記事を書いた人

調剤薬局一筋の薬剤師。転職8回、すべて調剤薬局。
生活習慣の見直しを患者様と一緒に考えていくうちに栄養系資格に興味。
食生活アドバイザー2級取得。1級試験に向けて勉強中。
EMSジムでダイエットにも励んています。

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