日々の業務で当たり前になってしまった出荷調整品への対応。
ある店舗に分譲をお願いすると

「もちろん、持っていっていいよ。」
別の店舗にお願いすると



「簡単に譲ってなんて言わないでほしい。」
私は、その二つの店舗の間にいました。
最初は、その温度差に戸惑いました。
でも話を聞いているうちに、どちらの気持ちも分かるようになったんです。
助け合う薬局、守る薬局
出荷調整が続く中、実績がないと発注すらできない薬があります。
コロナ禍に新設した薬局では、その実績がほとんどありませんでした。
遠方の病院から処方箋が届く。
でも、薬がない。
そこで他の店舗に分譲のお願いをします。
ある店舗は、
「もちろん。持っていっていいよ。」
と二つ返事。
一方で、別の店舗では、お願いしただけで委縮してしまうほど厳しい反応でした。
後から聞くと、その店舗は今でも「怖い店」として語られることがあるそうです。
最初は私も、「そこまで言わなくても……」と思いました。
でも、話を聞くうちに考えが変わりました。
その店舗は門前の患者さんが多く、その薬を切らすこと自体が大きな問題になります。
「もし在庫がなくなったら、患者さんにも先生にも迷惑をかけてしまう。」
そう考えれば、簡単には譲れません。
一方で、快く分けてくれた店舗にも理由がありました。
「困ったときは、お互い様。」
今日は助ける側でも、明日は助けてもらう側かもしれない。
どちらも患者さんのことを考えている。
違ったのは、何を優先して守るか。
正解は一つじゃない
この出来事があってから、「どちらが正しいんだろう」と考えるようになりました。
今でも、「これが正解」とは言えません。
自店舗を守ること。
会社全体で助け合うこと。
どちらも薬剤師として大切な役割です。
だからこそ、簡単に「譲るべき」「譲らないべき」とは言えません。
もし自分だったら。
在庫に余裕があるなら迷わず譲ります。
でも、自店舗への影響が見えているなら、まずは自店の実績を使って在庫確保に動くと思います。
それでも難しければ、断るしかありません。
今回の出来事で感じたのは、譲ることが正義でも、断ることが悪でもないということ。
大切なのは、お互いの状況を知ったうえで、どこまで協力できるか。
その答えは、店舗ごとに違っていいのだと思います。
二つの店舗の間に立ったからこそ、その難しさを知りました。
複数の店舗を回るようになって、「助け合う」って案外難しいんだな、と考えるようになりました。





