複数店舗を回るようになって、一つ気づいたことがあります。
新人は、教えるだけでは育たない。
任せて、失敗して、また任せる。
そんな経験が必要なんだと感じた出来事がありました。
任せる経験が、新人を育てる
その店舗では、一枚の処方箋を複数の薬剤師で分担して調剤していました。
例えば、7剤の処方なら、
私が3剤。もう一人が4剤。
最後に合わせて監査・投薬します。
スピードを重視したその店舗ならではのルールでした。
でも、ある日の勤務でその見方が少し変わります。
管理薬剤師は毎日、時短勤務で先に帰宅します。
そのあとは薬剤師2人体制。
私はヘルプだったので、分からないことは半年ほど勤務している薬剤師へ確認しました。
こいけ「この薬の在庫はどこ?」
「欠品したらどう対応してる?」
「この患者さんはいつもどう説明してる?」
でも、返ってくるのは



「分かりません……。」
半年なら、わからないことがあって当然です。
その時間、管理薬剤師はもう帰宅しています。
このやり取りを知る人はいません。
もし私がヘルプに入っていなければ、このまま気付かれなかったのかもしれない。
そんなことが頭をよぎりました。
この店舗のやり方にも、きっと理由があります。
ただ、一枚の処方箋を最初から最後まで一人で担当する経験新人は、任せないと育たない|ヘルプ勤務で気づいた薬局の教育は少なくなります。
在庫を探して、
欠品を判断して、
患者さんへ説明する。
そんな経験を積み重ねる機会も、少なくなっていたのかもしれません。
管理薬剤師がいる間は困らない。
でも、毎日その人が帰宅したあとには、自分で判断しなければいけない。
「知らない」のではなく、「経験していない」。
私は、その違いが大きかったように感じました。
効率より大切なもの
正直に言うと、私は以前から一枚の処方箋を複数人で分担するやり方があまり好きではありませんでした。
患者さんを待たせないというメリットはあります。
でも、お互いの作業待ちが発生したり、「誰がどこまで調剤した?」と確認が増えたり。
思っているほど効率的には感じていませんでした。
今回の出来事で、その理由が少し分かった気がします。
「速い」と「育つ」は、別の話。
新人のうちは、一人で最初から最後までやってみる経験が必要です。
時間はかかるかもしれません。
でも、その経験があるからこそ、一人で判断できるようになります。
患者さんの数や人員配置によって、正解は変わるでしょう。
それでも今回の経験を通して、私が強く感じたことがあります。
新人は、任せないと育たない。
店舗を回るようになって、そんなことを考えるようになりました。





